ログラインの意味
ログラインとは、映画やドラマ、小説の物語を一文にまとめたものです。プロデューサーや出版社、コンクールの審査員は、毎週たくさんの企画に目を通します。最初の一文を読んだだけで「どんな話で、なぜ読みたくなるのか」が伝わるようにするのが、ログラインの役目です。
あらすじが物語の流れを見せるものだとすれば、ログラインは物語のエンジンを見せるものです。誰が、何をしようとしていて、何がそれを阻むのか。この三つが一文に収まっていれば、読み手の頭に場面が浮かびます。
ログラインに入れる3つの要素
- 主人公とその立場:名前より先に立場です。「佐藤さん」よりも「借金を抱えた夜勤の看護師」のほうが、ずっと多くを語ります。
- 主人公がしようとしていること:目的や行動を、動詞で書きます。
- それとぶつかる出来事ひとつ:主人公の行動を真正面から崩す、目に見える出来事です。
書き方の型
多くのログラインは、次の形で読めます。
〔立場のはっきりした主人公〕が〔目的・行動〕をしようとするが、〔出来事〕が起きる。
これは穴埋めの型ではなく、確認用のチェックリストです。順番を入れ替えても、言い回しを変えてもかまいません。大事なのは三つの要素がそろっていることと、文が出来事で終わることです。
例:EPICが書いたログライン
EPICに「夜勤の救急看護師が主人公のクライムサスペンス映画のログラインを3つ書いてください。」と頼むと、3つの案が返ってきました。そのうちの1つを、手を加えずにそのまま載せます。
過去の重大な過失を隠して名前を変え逃げてきた新人夜勤看護師が、意識混濁の老人が遺したダイイングメッセージに自分の罪を突きつけられ震えるが、絶命直前の老人が指し示したのは、今まさに彼女の肩を抱き寄せている医師だった。
最後の一節が説明ではなく、目に見える出来事(老人が指し示した先にいる医師)で終わっています。過去の罪を隠して生きてきたという主人公の立場があるからこそ、この出来事は他人事ではなくなります。読み手は「この医師は何者なのか」と考えずにいられません。その問いこそが、この物語を読みたくさせる力です。
よくある失敗
| 失敗 | なぜ弱いか | 直し方 |
|---|---|---|
| 出来事を二つ、三つとつなげる | どれが肝心なのか分からない | 転換のあとの出来事はひとつで止める |
| 「〜と〜の間で葛藤する」で終える | 選択を説明しているだけで、場面がない | その選択を迫る出来事を書く |
| 人物の名前から始める | 初めて見る名前には情報がない | 職業や立場で紹介する |
| 結末まで書いてしまう | 読む理由がなくなる | 結末は隠して、問いを残す |
| 長すぎて一息で読めない | 一度で頭に入らない | 修飾語から削る |
書く手順
- 主人公の立場を一行で書きます。その立場のせいで物語がより痛くなるかを確かめます。
- 主人公がいましようとしていることを、動詞で書きます。
- その行動をいちばん痛い形で崩す出来事を選びます。主人公の立場と噛み合うほど強くなります。
- 「〜しようとするが、〜」の形で一文にします。
- 声に出して読み、息が続かなければ修飾語を削ります。
よくある質問
ログラインはどのくらいの長さがいいですか?
一文が基本です。文字数よりも、一度読んだだけで頭に入るかどうかが大切です。
ログラインとあらすじは何が違いますか?
ログラインは物語の核となる対立を一文で示し、あらすじは始まりから結末までの流れを数段落で示します。ふつうはログラインを先に決めてから、あらすじに広げます。
どんでん返しをログラインに書いてもいいですか?
どんでん返しそのものより、事態が動き出す瞬間までを見せるほうが効果的です。結末を明かすと、見る理由が減ってしまいます。
英語や韓国語のログラインも書けますか?
はい。EPICは書かれた言語で答えるので、英語で頼めば英語のログラインが返ってきます。